
将棋世界 2023年8月号
3-7
巻頭カラー写真
第81期名人戦七番勝負第5局
「藤井聡太 史上最年少で名人&七冠獲得」
実力名人制になってから16人目。
最年少名人:20歳10ヶ月は谷川浩司十七世名人の保持していた21歳2ヶ月を約40年ぶりに更新。
七冠達成:羽生善治九段の保持していた最年少記録(25歳4ヶ月)を4年6ヶ月更新。
色紙には谷川浩司十七世名人が好んだ「温故知新」の言葉が。
藤井荘での写真+谷川浩司十七世名人・羽生善治九段のお祝いコメントなども😉
8-15
藤井聡太七冠記念企画①
「photo 藤井聡太 デビューから七冠まで―記録ずくめの7年間」
三段リーグに初参加した2016年から7年間の記憶。
<2016 史上最年少四段>
一期抜けを果たし、14歳2ヶ月で四段昇段。
<2016 デビュー戦で初勝利>
加藤一二三九段との竜王戦ランキング戦6組。
<2017 デビューから無敗 史上最多29連勝!>
<2018 羽生善治と初対戦 棋戦初優勝>
<2019 王将戦挑戦者決定リーグ戦 痛恨のトン死でタイトル初挑戦逃がす>
<2020 棋聖戦で史上最年少挑戦&タイトル獲得>
<2020 王位獲得で最年少二冠&八段>
<2021 叡王奪取で最年少三冠に>
<2021 竜王獲得で四冠>
<2022 王将奪取で五冠>
<2022 一般4棋戦制覇>
<2023 棋王奪取で六冠に 史上2人目の快挙>
<2023 史上最年少で名人獲得と七冠達成>
16-17
「棋士総会開催 羽生善治 新会長に」
就任あいさつの後に行われた記者会見の一問一答を抜粋紹介。
立候補を決めた時期と経緯、前会長とのこと、棋士との両立など。
18、106-115
第8期叡王戦五番勝負第4局
「藤井聡太、叡王3連覇ー連続千日手の激闘制すー」
「藤井叡王、見事な勝負術」
藤井聡太叡王vs菅井竜也八段
5/28 岩手県 浄土ヶ浜パークホテル
解説は岩手出身の小山怜央四段。現地で大盤解説も担当。叡王戦五番勝負は藤井叡王の2勝1敗のスコアで第4局を迎えた。千日手が2回となる大熱戦だった本局。初めての大盤解説で千日手の延長戦は貴重な体験になったとのこと。ちなみに1局目は三間飛車で開始から2時間足らずで千日手が成立。
小山怜央四段の感想要約
互いに持ち味の出た五番勝負。指し直し2回の激闘を制した藤井叡王は終盤の安定した差し回しや勝負術がお見事。また敗れはしたものの、菅井八段の戦いぶりは振り飛車党に勇気を与えたはず。
対局前日は藤井叡王と菅井八段たちと遊覧船🚤に乗り、ウミネコに餌やりするパンも買ったのに、全然寄って来なくて自分たちでウミネコパンを食べたのだとかw😆
対局の翌日は藤井叡王と小山四段が一日駅長に🚉👮
19、96-105
第94期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局
「藤井 海外対局で快勝発進」
「記録係は見た! ダナンの熱き戦い」
藤井聡太棋聖vs佐々木大地七段
6/5 ベトナム・ダナン市
コロナ禍を経て4年ぶりに実現した海外対局。記憶係を務めた小山直希四段の解説。
藤井棋聖の先手で角換わり
小山直希四段の感想要約
序盤は両者用意してきた作戦という感じだったが、中盤からは先に時間を消費した佐々木七段が苦しんでいる印象だった。藤井棋聖は中終盤でしっかり腰を落として考える時間を確保し、1七角のような手で突き放すという、先手角換わりの理想的勝ち方。
20、116-121
第16期マイナビ女子オープン五番勝負第3局
西山朋佳女王vs甲斐智美女流五段
「遊戯三昧」
5/28 神奈川県藤沢市 時宗総本山 遊行寺
22
新棋戦「達人戦立川立飛杯」誕生!
株式会社立飛ホールディングス、トヨタS&D西東京株式会社協賛の新棋戦について。
【棋戦概要】
50歳以上の現役棋士が対象。予選・本戦ともトーナメント形式。予選を勝ち抜いた4名と永世称号呼称者・資格者4名(谷川浩司十七世名人、羽生善治九段、佐藤康光九段、森内俊之九段)の計8名で本戦。
第1回達人戦立川立飛杯:2023年6月~11月開催
23、122-127
第34期女流王位戦五番勝負第3、4局
「里見、積極策で五冠堅持」
「里見、女流王位5連覇&9期獲得」
里見香奈女流王位vs伊藤沙恵女流四段
5/25 福岡県飯塚市 麻生大浦荘
6/7 徳島県徳島市 JRホテルクレメント徳島
24
大成建設杯第5期清麗戦挑戦者決定戦
「西山 清麗に初挑戦-半年ぶりの女流頂上決戦に-」
5/22 東京 将棋会館
26
第48期棋王戦コナミグループ杯
藤井聡太棋王就任式
「よりよい将棋をお見せしたい」
就位状、賞杯、賞金の他に副賞としてコナミスポーツクラブの年間利用パス、フィットネスグッズ一式、コナミベームソフトセット、Nintendo Switch本体、カロリーメイト1年分が贈られたとのこと🎁
28、62-72
令和を駆けろ!俊英棋士 vol.10
狩山幹生四段
「岡山の異能は受けが好き」
2001年11月12日倉敷市生まれ。14年に井上慶太九段門下で奨励会入り。19年に三段リーグ入りし、21年に第69期三段リーグで13勝5敗の成績を挙げて四段昇段。居飛車党で受けに偏った棋風。
経歴、課題、棋風、棋士編入試験の試験官として対戦した里見加奈女流五冠・小山怜央四段、親しい棋士について。
棋士なのに座るのが苦手で立ち食いの店を選ぶほどだけど、基本は部屋から出たくないインドア派。立って歩きながらネット将棋をしているというコメントもあったので歩きスマホは危ないよと心配していたら、自室をうろうろしながらやっているそうで一安心w😄
29、74-85
華やかに舞え! 女流棋士たちのエモーション vol.9
武富礼衣女流初段
「体も心も整えて」
1999年5月25日生まれ。佐賀県出身。中田功八段門下。2015年9月に巻頭研修会に入会。18年2月女流2級に昇級し、女流棋士に。同年3月女流初段。龍谷高校、立命館大卒。同大学客員研究員。現在は関東在住。
佐賀県初の女流棋士、趣味はピアノ、お笑いが好き、居飛車党、師匠、兄弟子の佐藤天彦九段、古賀悠聖五段、仲の良い石本さくら女流二段(大学の先輩)、仏教校で学んだことについて。
卒論のテーマ「将棋棋士の棋風と性格の相関」(心理学)がこれまた興味深いなと。もっと詳しく聞きたかった📝
38-40
リレーエッセイvol.32
及川拓馬七段「ターニングポイントを過ぎて」
42-49
藤井聡太七冠記念企画②
「羽生の七冠と藤井の七冠―歴史的大記録を比較する」
観戦記者・鈴木氏のレポ。七冠達成の記者会見のあとの打ち上げの様子等。渡辺九段は出席を辞退。藤井七冠(現在は八冠)、左隣が立会人の田中虎彦九段、右隣が大盤解説聞き手の中村桃子女流二段、正面は女性記者、斜め右前は大盤解説の黒沢怜生六段。
藤井さんはやはり鉄道に関してびっくりするほど詳しかったのだとか。ひとしきり鉄道の話をした後、高見泰地七段が棋士の間で話題になっている難解な詰将棋を出して藤井さんが解いたりと打ち上げは終始和やかに進んだ様子。その2日後にはベトナムへ✈
後半は七冠になるまでの羽生七冠との成績比較。杉本八段談。
50-59
藤井聡太七冠記念企画③
佐藤天彦九段が語る第81期名人戦七番勝負
「内容を理解しようとする意志」
6月号の解説の評判が良かったとのことで再登場。大好きなクラシック音楽の例をあげてキレキレの解説再び!棋士は将棋に勝てればいいという考え方ではなく、内容を見ることも大事だと言う視点をまずは再確認→名人戦の解説。
第5局「二枚の角による超絶技巧(藤井将棋)」
シリーズ全体の感想要約
藤井さんが指しづらそうな局面でも間違えず、終盤でのイレギュラーの手も含めてかなり読んでいないとラリーが続けられない局面がずっと続き、最終的に渡辺さんが決めてをつかみきれずにぽっきり折れた印象。
プライベートでは友人で棋士としては先輩の渡辺九段についてもかなり詳しく語られていて興味深かった。
例えば、10代の頃から見てきた渡辺さんの合理的な勝負の仕方、相手の美学や美意識を相対化してちょっとはぐらかすかのような手法を藤井さんが正面から打ち砕いたと。これから渡辺九段がどういう将棋を指していくのか要注目😉
86-95
第81期名人戦七番勝負第5局
「角2枚でつかんだ名人位」
解説/高見泰地七段
5/31・6/1 長野県 緑霞山宿 藤井荘
森尾鴎外、菊池寛などの文人が愛した宿。
第5局の副立会人を務めた高見泰地七段の解説。
渡辺-藤井はタイトル戦5回目。
第3局と同じ出だしから渡辺名人が変化
↓
研究で想定した2二玉型からはずれながらも、3一玉型を上手く突いて攻める渡辺名人
↓
角2枚の誰も予想しなかった勝負手を放つ藤井七冠
高見泰地七段の感想要約
将棋は自分も相手もミスするので逆転が起こりやすいゲーム。渡辺名人はそれを踏まえて合理的に戦略を練り、定跡を進化させてきたタイプ。だけど1回も間違えない棋士が現れたことでどう戦うかを試行錯誤している印象とのこと。
藤井七冠(現在は八冠)に関してはすごいと思うと同時に自分にも伸びしろがまだまだあると思わせてくれる存在だと前向きなコメント😉
129-133
大山康晴十五世名人生誕100年記念
大山将棋セレクション「終盤は二度ある」vol.2
VS田中寅彦四段(第27回王座戦)
選局・記/石川陽生七段
134-137
大山康晴十五世名人生誕100年記念
"野獣流"灰色の昔話
第14回「盤側から見た大山先生の超人ぶり」
泉正樹八段
泉少年(当時)が記録係で接したときの記憶と当時の将棋界の思い出話。
139-155
戦術特集 手得を生かそう!
先手中飛車vs超速
―難敵超速も先手番なら十分対抗―
総合監修/黒田尭之五段
Chapter1
講座「ゴキゲン中飛車 先後で考える超速対策」
―1手の違いを盤上に生かそう―
Chapter2
好局鑑賞「プロの先手中飛車vs超速の熱戦を堪能」
Chapter3
先手中飛車次の一手「解いて覚える必須手筋」
156-157
追悼・武者野勝巳七段
森下卓「武者野さんの思い出」
164-170
第36期竜王戦
171-177
第82期順位戦
178-189
公式棋戦の動き
196-202
終盤のメカニクス 第3回
「自玉の手数を延ばす受け」
講師/宮田敦史七段
●付録
【アゲアゲ折田が選んだ】
「AI流次の一手 相居飛車編」
人間が思いつかない異次元の一手は?
記/折田翔吾五段
AIを用いた研究の中で勉強になった指し手を紹介するシリーズの第2弾(第1弾は2月号の付録)。
前回は振り飛車対居飛車の対抗形がテーマだったが、今回は相居飛車編。解説文の開いたスペースで推しの関西アイドルグループ・カラフルスクリームを猛プッシュする折田五段w😆